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ようこそ、ハリルホジッチ監督。これがアジアの戦いです

      2015/07/18

恐らく、ハリルホジッチ監督が一番、驚いているのではないでしょうか?16日のW杯ロシア大会アジア2次予選の初戦となるシンガポール戦。ハリルホジッチ監督だけでなく、多くの国民も、サッカー解説者も、誰もが勝利を信じて疑わなかったでしょう。私もそうでした。

しかし、いざ戦いが始まっていると、徹底して引いて守る相手に、あと一歩、ゴールに届かないもどかしい展開が続きました。そして、そのまま試合終了。日本は、シンガポールを相手にホームで白星スタートができないという予想外のスタートになったのです。

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ハリルホジッチ監督の試合後のコメントより…

ハリルホジッチ監督の試合後のコメントを聞く限りでは、まだハリルホジッチ監督自身が、シンガポール戦について冷静に状況分析ができていないように感じられました。恐らく、ハリルホジッチ監督自身も想定外のことだったのでしょう。いつもは自信家で歯切れの良いコメントで定評のハリルホジッチ監督から、「負けなかっただけ良かった」と言うような弱気なコメントが何度も出たことに驚いています。

ハリルホジッチ監督は、自身でも認めるように、負けることが嫌いで、勝利に執着する監督です。この監督であれば、間違いなく日本代表を強くしてくれると信じています。しかし、そのためにはハリルホジッチ監督自身が、アジアのチームが日本代表に対して、徹底して守るサッカーを展開することについて、もっと分析をしてもらわなくてはなりません。

ハリルホジッチ監督のキャリア

ハリルホジッチ監督は、現役時代はFWの選手でした。FCナントやパリ・サンジェルマンFCなど、主にフランスリーグで活躍し、ユーゴスラビア代表にも選ばれています。

監督としてのキャリアは、モロッコのクラブチームからスタートします。その後、コートジボワール代表監督時代には、キリンカップサッカーで来日し、日本代表(岡田監督)とも戦っています。クロアチアのクラブチームをリーグ優勝に導き、アルジェリア代表監督時代には、アルジェリアを史上初のベスト16に導きました。

ハリルホジッチ監督のキャリアの中で、今回のように11人全員が自陣に引いて守る相手とは、対戦した経験がないと思います。それほどまでに、アジアでの日本代表に対するサッカーは特殊なのです。

過去にも苦しんでいるW杯予選

日本代表がW杯に初出場したのが1998年のフランス大会です。その大会以来、アジア予選の初戦は4試合のうち3試合が1対0という僅差の試合になっています。しかも、3試合のうち2試合が後半ロスタイムでの勝利とあっては、もうアジア予選の初戦は、楽勝などとは思わない方が良いと思います。

2004年2月のオマーン戦では、後半アディショナルタイムに、FW久保竜彦選手のゴールで何とか白星発進することができました。

2008年2月のタイ戦では、4対1とスコアで見れば楽勝だったように思えますが、先制した直後に追いつかれ、後半9分まで追加点を奪えない苦しい試合でした。グループ内で最弱と言われていたタイとの試合でしたが、日本代表監督だったオシム監督が病に倒れ、急遽、岡田監督体制で臨んだ試合だっただけに、苦戦は想定されていました。

2011年9月の北朝鮮戦では、ケガで本田選手、長友選手の主力を欠く中、今回のシンガポール戦と似たような試合展開にもつれ込みました。引いて守る北朝鮮を相手に、シュート数は20対5、ボール保持率も66.1%対33.9%と圧倒しながら、後半アディショナルタイム4分、ショートコーナーから、清武選手のクロスボールに吉田選手が頭で合わせて、何とか勝利をもぎ取りました。

このように、過去のアジア大会初戦では、ホームであっても苦戦してきているのです。今回のシンガポール戦では、こういった過去を忘れてしまったかのように盛り上がってしまったことにも原因があるように感じます。

シンガポールのGKが素晴らしかった

確かに、シンガポールのGKは素晴らしいファインセーブを何本も見せました。サッカーでは、こういった格下のGKが活躍することで、番狂わせが起こるのも事実です。

「マイアミの奇跡」と呼ばれている、1996年のアトランタオリンピックグループリーグ初戦で、日本代表は優勝候補に挙げられていたブラジルと対戦しました。この試合では、日本代表のGK川口能活選手が神がかり的なファインセーブを連発し、相手のミスによるラッキーなゴールでブラジルを相手に勝利をおさめています。

今回のシンガポール戦では、ハリルホジッチ監督のコメントにもあるように、負けなかったことだけは幸いでした。しかし、シンガポールのGKを調子づかせてしまったのは、決定機を決めきれなかった日本代表の攻撃陣であることを忘れてはいけません。

イラク戦の勝利のイメージ

W杯予選直前、最後のテストマッチとなるイラク戦で4対0と大勝したことも影響してしまったのかもしれません。

イラク戦では、相手は引いて守ることはせず、ハリルホジッチ監督の掲げる縦に早いサッカーを展開するのに十分なスペースがありました。そのため、サイドから崩す試合ではなく、早いパス交換で中央突破するサッカーの印象がついてしまった可能性があります。事実、シンガポール戦の前半は、両サイドから崩す場面が少なく、中央に攻撃の意識が集中していました。

イラク代表のコンディションの悪さも気がかりでした。長旅のせいもあってか、動きにキレがなく、このイラク代表をアジアカップでベスト4に入ったイラク代表と同等と評価し、日本代表の勝利に浮かれてしまったことは反省しなくてはいけません。

選手選考と選手起用

シンガポールとの戦いを考えた場合、徹底して引いて守って来ることは容易に想像できたはずです。シンガポール代表に対しては、身長で勝る選手をFWに起用するなどが出来たのではないかと思います。杉本健勇選手は身長187㎝と長身のFWでハリルホジッチ監督の代表合宿にも呼ばれていました。フィジカルの強い川又選手がケガをした際、追加招集は足の速い永井選手ではなく、杉本選手にするべきではなかったでしょうか?

原口選手の起用にも疑問が残ります。ハリルホジッチ監督は代表メンバー発表の際、選手について一言ずつ、コメントをしています。

原口選手に対しては、「両サイドで起用できる選手」と評していましたが、イラク戦でもシンガポール戦でも、中央での起用でした。イラク戦では、代表初ゴールをあげるなど、活躍を見せた原口選手ですが、やはり、原口選手が活きるのはサイドでの起用だと思います。

シンガポールの攻撃が1枚だけになっていた状況では、ヘディングの強いDFの吉田選手をトップに張りつかせても良かったのではないかと思います。攻撃の枚数を増やしたい状況で、攻撃の選手を下げて攻撃の選手を入れる選手交代には疑問が残りました。

クラブチームでも日本代表でも、コンディションの上がらない香川選手をトップ下でスタメン起用したことにも疑問が残ります。確かに、香川選手の復活は、日本代表にとって大きな意味を持ちます。しかし、公式戦でコンディションの上がらない選手を起用して、途中交代させてしまっては、3枚しかない交代カードを1枚損するようなものです。シンガポール戦では、香川選手をスタメン起用するべきではなかったのではないでしょうか?

幸いなことに

不幸中の幸いと言えば、日本代表の次のW杯2次予選が9月ということです。それまでに、ハリルホジッチ監督は、アジアでの独特の戦い方を分析してもらい、選手1人1人は、クラブチームで決定力不足という課題を修正してもらう必要があります。そのための時間は十分にあるのです。

もし、万が一、次の9月のホームでのカンボジア戦を落とすことになれば、それこそ一大事です。それまでには、東アジア大会も控えています。ハリルホジッチ監督の分析の場は、十分に用意されているのです。今度は、準備不足を言い訳にはできません。アジアの戦いに特化した、日本代表の姿を見せて欲しいと思います。

ハリルホジッチ監督にとっては、ちょっと手痛いアジアサッカーの洗礼になってしまいました。しかし、まだ初戦を引き分けただけです。十分に挽回の余地はあります。アジア2次予選は、グループ首位だけが通過できる厳しい戦いです。初戦で課題が出たことは、不幸中の幸いだったと言えるでしょう。ハリルホジッチ監督が、今後、日本代表にどのような変化をもたらせてくれるのか非常に楽しみです。

 - サッカー, 日本代表

        

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